変化の早い社会にどのように企業が合わせるか

SINIC理論はご存知でしょうか?

SINICとは“Seed-Innovation to Need-Impetus Cyclic Evolution”の頭文字をとったもので、OMRONの創業者である立石一真さんが1970年に発表した未来予測理論です。2022年に関連する書籍が出版され、ITによるテクノロジーや社会変化が大きく異る時代の理論にも関わらず、実現度の高さに社会を驚かせました。

科学と技術と社会の間には円環論的な関係があり、異なる2つの方向から相互にインパクトを与えあっているとしています。特に最近ではIT技術の発展により社会への適用速度が格段に上がり、テクノロジーの概念や社会における新たな思想の共有に長期間の年月を要し無くなりました。

社会システムや市場のニーズが変化するということは、企業における経済活動の柔軟性も問われてしまうということです。変化のキャッチアップは企業の構成員である、営業やマーケット担当が行えるとして、それを踏まえた意思決定は上司や経営者が引き続き実施していくことが最適なことでしょうか。意思決定と責任を担当レベルに落とし込めても、意思決定に必要な情報の開示は引き続き一部の人が管理すべきでしょうか。

私は、組織が社会の変化に合わせられるレベルに柔軟になるためには、情報の透明化と権限の分散化と人の流動性の3つの要素が重要だと考えます。
特に情報の透明化については、特定の人に偏るヒエラルキー構造は経営陣や株主にとって安心材料となるでしょうが意思決定を委ねられた社員からすると脅威となるでしょう。必ずしも性善説に基づいて闇雲に情報の開示し、ましてはお金や給与構造まで公開する必要はないでしょうが、情報にアクセスできる機会は平等であるべきでしょう。

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